第II章 演習問題 [28]

\(\mathbb{Q}\) は通常の順序に関して件の条件を全て満たすので, 件の条件を全て満たす二つの全順序 \(\langle D_1,< \rangle\) と \(\langle D_2,< \rangle\) が常に順序同型であることを示せばよい. 各 \(i = 1,2\) について全単射 \(\varphi_i \,:\, \omega \to D_i\) を選んでおく. 以下, 有限な関係 \(R_i \subset D_1 \times D_2\) の可算無限増大列 \(R_0 \subset R_1 \subset \cdots\) であって, 各 \(i\) について \(R_i\) も \(R_i{}^{-1}\) も順序を保つ (部分) 関数となるものを帰納的に構成する. \(R_0 = \{\langle \varphi_1(0),\varphi_2(0) \rangle\}\) と定める. 次に \(R_n\) まで定まっているとき, \(\varphi_1(i) \not\in \mathrm{dom}(R_n)\) となる最小の \(i < \omega\) を取ると, \(\mathrm{dom}(R_n)\) は有限集合なので, \(\varphi_1(i) > x\) となる \(x \in \mathrm{dom}(R_n)\) が存在すればその最大のものが存在し (それを \(x'\) と置く) , \(\varphi_1(i) < y\) となる \(y \in \mathrm{dom}(R_n)\) が存在すればその最小のものが存在する (それを \(y'\) と置く). このような \(x\) と \(y\) のいずれかは必ず存在することを注意しておく. 関数 \(R_n\) による \(x'\) および \(y'\) (存在すれば) の像をそれぞれ \(x'' \in D_2\) および \(y'' \in D_2\) と置く. ここで, このような \(x\) と \(y\) がどちらも存在するとき, \(R_n\) が順序を保つ単射なので \(x'' < y''\) であり, \(D_2\) の自己稠密性よりある \(j < \omega\) が存在して \(x'' < \varphi_2(j) < y''\) となる. このような最小の \(j\) を取り, \(R'_n = R_n \cup \{\langle \varphi_1(i),\varphi_2(j) \rangle\}\) と定める. 上のような \(x\) は存在するが \(y\) は存在しないとき, \(D_2\) に最大元が存在しないことから, ある \(j < \omega\) が存在して \(x'' < \varphi_2(j)\) となる. このような最小の \(j\) を取り, \(R'_n = R_n \cup \{\langle \varphi_1(i),\varphi_2(j) \rangle\}\) と定める. 同様に, 上のような \(y\) は存在するが \(x\) は存在しないとき, \(D_2\) に最小元が存在しないことから, ある \(j < \omega\) が存在して \(\varphi_2(j) < y''\) となる. このような最小の \(j\) を取り, \(R'_n = R_n \cup \{\langle \varphi_1(i),\varphi_2(j) \rangle\}\) と定める. すると, \(R_n\) と \(R_n{}^{-1}\) がともに順序を保つ関数であることから, \(R'_n\) と \(R'_n{}^{-1}\) もともに順序を保つ関数となる. \(D_1\) と \(D_2\) の役割を入れ替えた同様の議論により, \(\varphi_2(i) \not\in \mathrm{ran}(R'_n)\) となる最小の \(i < \omega\) について, ある \(j < \omega\) が存在して \(R_{n+1} = R'_n \cup \{\langle \varphi_1(j),\varphi_2(i) \rangle\}\) も \(R_{n+1}{}^{-1}\) もともに順序を保つ関数となる.

以上のように \(R_i\) たちを構成し, \(f = \bigcup_{i < \omega} R_i\) と定めると, \(f\) は \(D_1\) から \(D_2\) への単射な部分関数であり, \(f\) も \(f^{-1}\) も順序を保つ. また, 上の構成法より, 任意の \(i < \omega\) について \(\{\varphi_1(j) \,:\, j \leq i\} \subset \mathrm{dom}(R_i)\) かつ \(\{\varphi_2(j) \,:\, j \leq i\} \subset \mathrm{ran}(R_i)\) が成り立つので, \(\mathrm{dom}(f) = D_1\) かつ \(\mathrm{ran}(f) = D_2\) となる. よって \(f\) は \(D_1\) から \(D_2\) への同型写像となり, 主張が成り立つ.

 

解答者: 縫田光司さん (公開日: 2011年6月28日)

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