第II章 演習問題 [3]

添字集合を基数 \(\kappa\) から \({}^\omega2\) の部分集合 \(I\) に置き換えて考える. 各 \(\sigma\in I\) に対し空間 \(X_\sigma\) の可算な稠密部分集合 \(\{\,p_\sigma(i)\,:\,i < \omega\,\}\) を抜き出したとする. 次に, 自然数 \(n\in\omega\) と関数 \(f:{}^n2\to\omega\) に対して, \(\prod_{\sigma\in I}X_\sigma\) の要素 \(x(f)\) を \[ x(f)(\sigma)=p_\sigma\big(f(\sigma\restriction n)\big) \] によって定義し, \[ D = \bigcup_{n < \omega}\big\{\,x(f)\,:\,f\in {}^{{}^n2}\omega\,\big\} \] としよう. \(\bigcup_{n < \omega}{}^{{}^n2}\omega\) が可算集合なので \(D\) も可算集合である.

つぎに \(D\) が 稠密であることを示そう. \(\prod_{\sigma\in I}X_\sigma\) の基本開集合としては, \(I\) の相異なる有限個の要素 \(\sigma_k\) \((k < r)\) を選び, 各 \(X_{\sigma_k}\) の空でない開部分集合 \(U_k\) を選んで作った \[ W = U_0\times U_1\times \cdots \times U_{r-1}\times \prod_{\sigma\notin\{\sigma_0,\ldots,\sigma_{r-1}\}}X_\sigma \] の形のものを考えればよい. 自然数 \(n\) を十分大きくとると, \(r\) 個の長さ \(n\) の列 \[ \sigma_0\restriction n,\;\sigma_1\restriction n,\ldots,\sigma_{r-1}\restriction n \] がすべて異なるようにできる. 番号 \(i_0,i_1,\ldots,i_{r-1}\in\omega\) を \[ p_{\sigma_0}(i_0)\in U_0,\;p_{\sigma_1}(i_1)\in U_1,\ldots, p_{\sigma_{r-1}}(i_{r-1})\in U_{r-1} \] となるようにとり, \(f:{}^n2\to\omega\) を \[ f(\sigma_0\restriction n)=i_0,\;f(\sigma_1\restriction n)=i_1,\ldots, f(\sigma_{r-1}\restriction n)=i_{r-1}\; \] をみたすように定めれば, 各 \(k < r\) で \[ x(f)(\sigma_k)=p_{\sigma_k}\big(f(\sigma_{k}\restriction n)\big)=p_{\sigma_k}(i_k)\in U_k \] となる, したがって \(x(f)\in W\) である. こうして \(D\) は \(\prod_{\sigma\in I}X_\sigma\) のすべての空でない開部分集合と交わり, 稠密である.

 

解答者: 藤田 博司 (公開日: 2011年6月5日)
2011年6月6日更新: 誤記を修正

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