まず, 定理4.4より, 自己稠密であり, かつどの空でない開部分集合も可分でないようなススリン線 \(X\) が存在する. もし \(X\) が最大元 \(x\) を持つとすると, \(X \setminus \{x\}\) の順序位相は \(X\) の順序位相の部分位相と一致するため, \(X \setminus \{x\}\) もまた上の性質を持つススリン線であり, しかも \(X\) の自己稠密性より \(X \setminus \{x\}\) は最大元を持たない. よって初めから \(X\) は最大元を持たないと仮定しても一般性を失わない. 同様に, \(X\) は最小元も持たないと仮定しても一般性を失わない. ここで \[ \overline{X} = \Big\{\; L \subset X \,:\, 0 \neq L \neq X \land \forall x,y \in X \big[\, x \in L \land y \not\in L \,\rightarrow\, \exists z \in L [\, x < z < y \,]\,\big] \;\Big\} \] と置くと, \(\langle \overline{X},\subset \rangle\) が条件を満たすススリン線であることを示す. まず, 各 \(x \in X\) について, \(X\) が最小元を持たないことから \(\wedge^{< x} = \{y \in X \,:\, y < x\}\) は空でない. \(y \in \wedge^{< x}\), \(z \in X \setminus \wedge^{< x}\) とすると, \(y < x \leq z\) である. ここで \(X\) は自己稠密なので, \(y < w < x\) となる \(w \in X\) が存在する. すると \(w \in \wedge^{< x}\) かつ \(y < w < z\) なので, \(\wedge^{< x} \in \overline{X}\) となる. \(X\) は可分でないことから空でなく, 従って上の性質より \(\overline{X} \neq 0\) である.
\(L_1,L_2 \in \overline{X}\), \(L_1 \not\subset L_2\) のとき, \(x \in L_1 \setminus L_2\) を取ると, 各 \(y \in L_2\) について \(L_2 \in \overline{X}\) より \(y < x\) となり, また \(L_1 \in \overline{X}\) より \(y \in L_1\), 従って \(L_2 \subset L_1\) となる. よって \(\overline{X}\) は全順序である.
各 \(L \in \overline{X}\) について, \(L \neq X\) であり \(X\) は最大元を持たないので \(x < y\) となる \(x \in X \setminus L\) と \(y \in X\) が存在し, このとき \(\overline{X}\) の定義より \(L \subset \wedge^{< x} \subset \wedge^{< y}\), また \(x \in \wedge^{< y} \setminus L\) 即ち \(L \neq \wedge^{< y}\) となる. よって \(L\) は \(\overline{X}\) の最大元ではない. また \(L \neq 0\) なのである \(x \in L\) が存在し, このとき \(L \supset \wedge^{< x}\) かつ \(L \neq \wedge^{< x}\) なので \(L\) は \(\overline{X}\) の最小元でもない. よって \(\overline{X}\) は最大元も最小元も持たない.
関数 \(f \,:\, X \to \overline{X}\) を \(f(x) = \wedge^{< x}\) で定める. \(x,y \in X\), \(x < y\) のとき, \(\wedge^{< x} \subset \wedge^{< y}\) であり, \(x \in \wedge^{< y} \setminus \wedge^{< x}\) より \(\wedge^{< x} \neq \wedge^{< y}\) である. よって \(f\) は順序を保つ単射である. また, \(L_1,L_2 \in \overline{X}\), \(L_1 \subset L_2\), \(L_1 \neq L_2\) のとき, \(x \in L_2 \setminus L_1\) を取ると, \(\overline{X}\) の定義よりある \(y \in L_2\) が存在して \(x < y\) となる. このとき \(L_1 \subset \wedge^{< x} \subset \wedge^{< y} \subset L_2\) かつ \(L_1 \neq \wedge^{< y} \neq L_2\) であるから, \(\overline{X}\) は自己稠密でありかつ \(f\) の像 \(\mathrm{ran}(f)\) は \(\overline{X}\) の中で稠密である. \(f\) は \(X\) から \(\mathrm{ran}(f)\) への同型写像であり, \(X\) はススリン線であり従って可分でないので, 下の補題より \(\overline{X}\) も可分でない:
補題. \(X\) が自己稠密な全順序, \(Y\) が \(X\) の稠密な部分集合のとき, \(X\) が順序位相について可分であれば, \(Y\) も \(X\) より誘導される順序に関する順序位相について可分である.
証明. \(X\) の可算な稠密部分集合 \(D\) を一つ選んでおく. \(x < y\) なる各 \(x,y \in D\) について, \(X\) の自己稠密性より \((x,y) \neq 0\) であり, 従って \(Y\) の稠密性より \((x,y) \cap Y \neq 0\) である. よって \(x < a_{x,y} < y\) となる \(a_{x,y} \in Y\) が存在する. ここで \(I\) を \(Y\) の空でない開区間であって, \(Y\) の最大元 (存在すれば) も最小元 (存在すれば) も含まないものとする. このとき \(I\) は \((x,y) \cap Y\), \(x,y \in Y\), \(x < y\) という形である. すると \(X\) の自己稠密性と \(D\) の稠密性より \(x < x' < y' < y\) となる \(x',y' \in D\) が存在し, 従って \(a_{x',y'} \in (x',y') \subset (x,y)\) となる. これより \(a_{x',y'} \in (x,y) \cap Y = I\) である. 以上より, \(\{a_{x,y} \,:\, x \in D \land y \in D \land x < y\}\) に \(Y\) の最大元 (存在すれば) と最小元 (存在すれば) を加えた可算集合は \(Y\) の稠密部分集合であるから, \(Y\) は可分である. \(\square\)
\(\overline{X}\) がc.c.c.を満たすことを示すために, 互いに交わりを持たない \(\overline{X}\) の不可算個の開区間 \(I_\alpha \neq 0\) ( \(\alpha < \omega_1\) ) が存在すると仮定して矛盾を導く. \(I_\alpha\) たちは全て有界な区間であるとしても一般性を失わないため, \(I_\alpha = (L_{\alpha,1},L_{\alpha,2})\), \(L_{\alpha,1},L_{\alpha,2} \in \overline{X}\) と置く. ここで上で示したように \(\overline{X}\) は自己稠密でありかつ \(f\) の像 \(\mathrm{ran}(f)\) は \(\overline{X}\) の中で稠密であるから, 各 \(\alpha < \omega_1\) についてある \(x_\alpha,y_\alpha \in X\) が存在して \(x_\alpha < y_\alpha\) かつ \((\wedge^{< x_\alpha},\wedge^{< y_\alpha}) \subset I_\alpha\) が成り立つ. このとき, \(z \in (x_\alpha,y_\alpha)\) ならば \(\wedge^{< z} \in (\wedge^{< x_\alpha},\wedge^{< y_\alpha})\) が成り立つため, \((x_\alpha,y_\alpha)\) たちは互いに交わりを持たない \(X\) の開集合である. さらに \(X\) は自己稠密なのでこれらはどれも空でない. これは \(X\) がススリン線であり従ってc.c.c.を満たすことと矛盾する. よって \(\overline{X}\) もc.c.c.を満たし, ススリン線となる.
最後に, \(\overline{X}\) が順序位相に関して連結であることを示すために, \(\overline{X}\) が空でなく交わりを持たない二つの開集合 \(U_1\) と \(U_2\) の和になると仮定して矛盾を導く. \(\overline{X}\) が最大元を持たないことから \(U_1\) と \(U_2\) のいずれかは上に有界でないので, 対称性より \(U_2\) が上に有界でないとする. \(U_1 \neq 0\) なので, \(L_1 \in U_1\) と \(L_2 \in U_2\) を \(L_1 \subset L_2\) となるように取れる. \(A = \bigcup \{L' \in U_1 \,:\, L' \subset L_2\}\) と置く. \(L_1 \subset A \subset L_2\) なので \(0 \neq A \neq X\) である. \(x \in A\), \(y \in X \setminus A\) とすると, ある \(L' \in U_1\) について \(L' \subset L_2\), \(L' \neq L_2\) かつ \(x \in L'\) となる. \(U_1\) は開集合であり \(\overline{X}\) は自己稠密なので, ある \(M_1,M_2 \in \overline{X}\) が存在して \(L' \in (M_1,M_2) \subset U_1\), \(M_2 \subset L_2\) かつ \(M_2 \in U_1\) が成り立つ. \(z \in M_2 \setminus L'\) を取ると, \(L' \in \overline{X}\) なので \(x < z\) であり, また \(M_2\) の選び方より \(z \in A\) となる. さらに \(y \not\in A\) なので \(y \not\in M_2\) であり, \(M_2 \in \overline{X}\) なので \(z < y\) となる. よって \(A \in \overline{X}\) が成り立つ. \(A \in (M_1,M_2)\) となる任意の \(M_1,M_2 \in \overline{X}\) について, \(x \in A \setminus M_1\) を取ると, ある \(L' \in U_1\) について \(x \in L'\) となる. このとき \(M_1,L' \in \overline{X}\) なので \(M_1 \subset \wedge^{< x} \subset L'\) かつ \(\wedge^{< x} \neq L'\) となり, 一方で \(L' \subset A\) であるから, \(L' \in (M_1,M_2)\) となる. よって \((M_1,M_2) \cap U_1 \neq 0\) 従って \((M_1,M_2) \not\subset U_2\) であり, \(U_2\) は開集合なので, \(A \not\in U_2\) 従って \(A \in U_1\) である. すると \(U_1\) は開集合かつ \(\overline{X}\) は自己稠密なので, ある \(M_1,M_2 \in \overline{X}\) について \(A \in (M_1,M_2) \subset U_1\) かつ \(M_2 \in U_1\) が成り立つ. ここで \(y \in M_2 \setminus A\) を取ると, \(A\) の定義より \(M_2 \not\subset L_2\), 従って \(\overline{X}\) が全順序であることから \(L_2 \subset M_2\) となる. これと \(A \subset L_2\) より \(L_2 \in (M_1,M_2)\), 従って \(L_2 \in U_1\) となるが, これは \(L_2 \in U_2\) と矛盾する. 以上より \(\overline{X}\) は連結であり, 主張が成り立つ.