真のクラスに補題7.1を拡張した場合, 第3節と第5節で絶対的であることが証明されたひとつひとつの式 \(\chi\) ごとにひとつの \(\mathrm{ZF}-\mathrm{P}\) の定理が対応するのではない. というのも, \(\mathrm{ZF}\) 集合論ではクラスはあくまで非公式の存在であり, 《すべてのクラス \(\mathbf{M}\) に対して, 云々》 という量化が式で書けないから. その代わりに, 絶対的であることが証明された式 \(\chi\) に対して \(\mathrm{ZF}-\mathrm{P}\) なり何なりの有限個の公理 \(\phi_1,\ldots,\phi_n\) を選べば, クラス \(\mathbf{M}\) ひとつひとつに対して \[ \mathbf{M}\text{ は推移的}\land \phi_1^{\mathbf{M}}\land\cdots\land \phi_n^{\mathbf{M}}\;\rightarrow\;\forall x_1\in\mathbf{M}\cdots\forall x_r\in\mathbf{M}\,\big(\chi(x_1,\ldots,x_r)\,\leftrightarrow\,\chi(x_1,\ldots,x_r)^{\mathbf{M}}\,\big) \] が \(\mathrm{ZF}-\mathrm{P}\) なり何なりの定理となる, と言わねばならない. また, 演習問題[16]と演習問題[17]の結果を考慮すれば, このような結果を \(\vdash_{\mathrm{ZF}^{*}-\mathrm{P}}\mathit\Delta_1\) であるような式 \(\chi\) について \(\mathrm{ZF}^{*}-\mathrm{P}\) において確立しておけば十分であろう. そうした議論はすでに演習問題[14]と演習問題[15]であらかた済んでいて, ここで繰り返すまでもあるまい.