第IV章 演習問題 [6]

外延性公理: \(R(\gamma)\) が推移的集合なので成立する. (補題2.4)

基礎の公理: \(R(\gamma)\subset\mathbf{WF}\) なので成立する. (補題2.12)

内包性図式: \(y\subset x\in R(\gamma)\) のとき \(y\in R(\gamma)\) であることによって成立する. (系2.6)

対の公理: これには \(\gamma\) が極限順序数であることが必要. \(x,y\in R(\gamma)\) のとき, \(\mathrm{rank}(x),\mathrm{rank}(y)<\gamma\) より \(\mathrm{rank}(\{x,y\})=\max\{\mathrm{rank}(x),\mathrm{rank}(y)\}+1<\gamma\) であり, \(\{x,y\}\in R(\gamma)\) である. \(R(\gamma)\) においても, 対 \(\{x,y\}\) は対の公理が要請する \(a\in z\land b\in z\) をみたす集合 \(z\) の例になっている. (補題2.10)

和集合の公理: \(x\in R(\gamma)\) のとき, \(\mathrm{rank}(\bigcup x)\leq \mathrm{rank}(x)<\gamma\) なので \(\bigcup x\in R(\gamma)\) である. \(R(\gamma)\) においても, \(\bigcup x\) は和集合公理によって要請される \(\forall z,y\,(\,z\in y\in x\,\rightarrow\,z\in s)\) をみたす集合 \(s\) の例になっている. (補題2.10)

置換図式:

無限公理: \(0\) と \(S\) 演算が絶対的であるうえ, \(\gamma>\omega\) から \(\omega\in R(\gamma)\) となることにより, \(R(\gamma)\) においても \(\omega\) が無限公理によって存在を保証される集合の一例になっている. (補題3.12)

冪集合の公理: \(\gamma\) が極限順序数なので \(x\in R(\gamma)\) のとき \(\xi<\gamma\) と \(x\in R(\xi)\) をみたす順序数 \(\xi\) がとれる. このとき \(x\) のすべての部分集合も \(R(\xi)\) に属するから, \(\mathcal{P}(x)\subset R(\xi)\) したがって \(\mathcal{P}(x)\in R(\xi+1)\subset R(\gamma)\) となる. \(R(\gamma)\) は冪集合演算のもとで閉じているので, 冪集合の公理をみたす. (補題2.9)

選択公理: \(x\in R(\gamma)\) としよう. 仮定により \(\mathbf{V}\) において選択公理が成立しているので, \(x\) を整列順序づけする関係 \(r\) が存在する. \(r\cap (x\times x)\) は \(x\times x\) の部分集合であるから \(\mathcal{PPP}(x)\) の部分集合として \(R(\gamma)\) に属し, しかもなお \(x\) を整列順序づけする. 全順序づけであるという性質は絶対的だし, 整列順序であるという性質(の定義)は, \(x\) の部分集合全体に言及するが, それらはすべて \(R(\gamma)\) に属するのだから, \(r\cap (x\times x)\) は \(R(\gamma)\) においても \(x\) の整列順序づけになっている. (補題3.14)

最後の選択公理の扱いで, \(\mathrm{ZF}\) において整列順序づけ可能性の別表現として用いられる「順序数との間の全単射が存在する」という条件を, \(\mathrm{Z}\) において用いることはできない, という点に注意してください. \(R(\gamma)\) に存在する整列順序の順序型が \(\gamma\) よりずっと大きくなることは十分にありえます. これについては後の演習問題[8]をみてください.

解答者: 藤田 博司 (公開日: 2011年6月14日)

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