松山教会コンサート 曲目解説


行進曲「メダリオン」

H.R.モアトン作曲

「大きなメダル」という意味の題名を持つ、イギリスのマーチです。NHK-FMの「ブラスの響き」のテーマ曲でした。

アルルの女 第二組曲

G.ビゼー作曲 (E.ギロー編)

パストラール〜 Pastorale
間奏曲〜 Intermezzo
メニュエ〜 Menuet
ファランドール〜 Farandole

元は、20才の青年ジャンが闘技場で会ったアルルの女を好きになるが、周囲の反対を受け、絶望のあまり自殺してしまうという実話です。編曲者のギローは、作曲者の死後この組曲を編曲していますが、物語中のヴィヴェットの、主人公への想いを、自分のビゼーへの想いに重ね合せながら書いたのだと、個人的には思っています。

(文:鹿島俊伸)


交響曲第7 (8) 番「未完成」D.759

F.シューベルト作曲

1. 「未完成」という愛称について

クラシック音楽の中でも名曲中の名曲としてあまりにも有名なこの交響曲は、1822年、シューベルトが25歳の時に作曲されました。「未完成」という愛称は無論、本当の題名ではありません。この交響曲が最初の2楽章だけしか完成されていないという特徴によります。その理由ははっきりしないのですが、第3楽章の不完全なピアノスケッチと9小節そこそこのオーケストラスコアが残されているので、本当は4楽章まで作曲するつもりであったことはまちがいありません。シューベルトは、1823年にグラーツ音楽協会の名誉会員になっており、そのお礼にこの交響曲を書き送るつもりだったようです。が、作品はでき上がった順番に音楽協会の会長のもとに送られ、残りの楽章はいつのまにか忘れられたようです。すでに送られた最初の二つの楽章でさえ、長く陽の目を見ることはなく、シューベルトの死後、37年目になってようやく初演されています。未完成でありながら人の心をとらえてはなさぬその美しさにより、「未完成の交響曲」という愛称で呼ばれ、広く演奏されるようになった訳です。

2. 「未完成」の番号付けについて

現在楽譜の出版されているシューベルトの交響曲は全部で8曲です。第1番から第6番までは番号付けに関して問題はなく、その後1838年に発見された交響曲「ザ・グレート」を第7番、ついで1865年に発見された「未完成」を第8番として出版しました。ところが研究により「グレート」の方が、未完成より後に作曲されたことがわかっています。よってしばらくの間は、「グレート」を第8番「未完成」の後に移動させて第9番とし、第7番を欠番とする方法が一般的になりました。最近では番号をひとつずらして、「未完成」を第7番とする方法が、もっとも具合が良いようです。

3. 松山ウィンドオーケストラ版「未完成」交響曲について

シューベルト生誕200年の記念すべき年に、有名で美しい「未完成」が演奏できることは、音楽に親しむものにとってこの上ない喜びだと考えます。今回使用する楽譜は、古今東西、初めて演奏するものです。シューベルトの書き残した音をもとに、吹奏楽の最も良い響きが得られるように根本的にオーケストレーションし直した、新しいものです。そのため、第1楽章はト短調に、第2楽章は変ホ長調に移調しています。また、吹奏楽の演奏会という性質を考え、冗長にならぬように再現部を省略しました。シューベルトの音楽の美しさと、吹奏楽という合奏形態の響きの良さを、同時に味わっていただけたら、と考えています。

(文:大久保健二)


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