レナード・バーンスタイン作曲 (イアン・ポルスター編曲)
このミュージカル『ウエスト・サイド・ストーリー』は、ニューヨーク市のウエストサイドで対立する二つの若者グループ、ジェッツとシャークスの抗争に巻き込まれた、トニーとマリアの愛の悲劇的な結末を描くものです。シェークスピアの『ロメオとジュリエット』の飜案ですが、二人とも死んでしまうのではなく、トニーだけが撃ち殺されるという、マリアにとっては一層悲痛で現実的な幕切れをもっています。
このミュージカルが着想されてから、あと11日で丸50年になります。その間に、作曲者のレナード・バーンスタイン(1918-1990)は、たくさんの遺産を私たちに残して、亡くなってしまいました。作曲者・指揮者の両面で才能のあったバーンスタインは、自作にたくさんの名演を残したため、ブリテンと同様に他の指揮者にはとりあげにくい作曲家ですが、ここ数年でやっと新しい録音に接する機会が増えてきたように感じています。3曲の交響曲を中心に、もっと取り上げられるように願ってやみません。
モーリス・ラヴェル作曲 (鹿嶋俊伸編曲)
前回に引き続いてモーリス・ラヴェル(1875-1937) をとりあげます。「マ・メール・ロワ」とは、イギリスの「マザーグース」の仏語で、童話作家シャルル・ペローの「マ・メール・ロワのお話」(1667)からとられています。もとは子供のためのピアノ連弾曲(1908-1910)で、1911年に管弦楽版が作られ、引き続いて1911年から1912年にバレエ版が作られました。通常、オーケストラではバレエ版が使われることが多いのですが、原曲とつけ加えられた曲の間に作曲様式の違いが見受けられるため、吹奏楽版には管弦楽版(いわゆる組曲版)の方を採用しています。
アレクサンドル・ボロディン作曲 (マーク・ハインズレー編曲)
「だったん人の踊り」は、ロシアの作曲家ボロディン(1833-1887)の作曲した歌劇『イーゴリ公』の中の、ある場面のための音楽です。主人公であるイーゴリ公が、敵のだったん人の陣地に囚われの身となり、祖国ロシアの家族のことを思って悲しみの日々を過ごします。それを見かねただったん人の大将が彼を慰めるために盛大な宴会を開きますが、その場面で演奏されるのがこの「だったん人の踊り」です。若い乙女たちや勇壮な若者たちの踊り、ダイナミックな奴隷たちの踊り、軽快な少年たちの踊りと、多彩な音楽が次々に展開されます。もともとは管弦楽の曲ですが、美しいメロディや豪快なリズムに人気があり、吹奏楽でもよく演奏されます。
ヨハン・セバスチャン・バッハ作曲 (大久保健二編曲)
一般の音楽愛好家に「古今東西のクラシック音楽の名曲 NO.1 は?」「無人島にCDを1枚だけ持っていくとしたら何を持っていくか?」などと聴いたら、だいたい抜群の1位に輝くのが、J.S.バッハ(1685-1750)の最高傑作と名高いこの「マタイ受難曲」です。もともとは、キリストの受難の様子を歌や語りによって物語風に表した宗教的な曲ですが、その情熱的で魅力あふれる音楽は、キリスト教徒でなくとも、聴くものに深い感動を呼び起こします。もともとの編成は2つに分かれた合唱と管弦楽、語り手やオルガンなどによる大規模で複雑なものです。また、全曲は3時間ほどもある大作ですので、今回はその中から冒頭の合唱、最も有名なコラール、そして終曲合唱の3曲を取り出して演奏します。吹奏楽版では、これが初演となります。
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