セザール・フランク作曲/大久保健二編曲
この曲はもともとオルガンのための非常に美しい小品ですが、今回はそれを吹奏楽にアレンジしたものを演奏いたします。フランクという作曲家は、名誉とか富というものに非常に欲のない人であったといわれています。そういうわけで彼の作品を聴くと、見た目の派手さで大衆をひきつけるような俗っぽさが全くないことがよく分かります。どこまでも自分の理想を求め、自分に向かってとつとつと話しかけるような曲調が、彼の人柄をものがたり、聴く者の心を打つのではないかと思います。
〜 シェークスピア劇の5つの場面へのシンフォニック・ポートレイト 〜
アルフレッド・リード作曲
“有無をいわさぬのが習慣の力と申すもの、
戦いの庭にあって石をまくらに鋼の床と明けくれしてまいった身にとりましては、
いまや戦場こそ こよなき羽毛の寝床。”
「お早うございます、将軍」
“あれは私が過去に冒した艱難ゆえに私を愛してくれたのであり、
私はあれがそういう私の身の上をあわれんでくれた心根ゆえに
あれを愛したのでございます。”
“見よ、ベニスの獅子!”
“お前を殺す前に、口づけをしてやったな。
今、おれに出来ることは...”
『オセロ』とは、イギリスの劇作家シェイクスピアの書いた四大悲劇のうちの一つです。あらすじは次のようなものです。
ヴェネツィア軍の大将であるムーア人のオセロは、美しく心の清らかな娘デスデモーナと結婚する。しかし、彼の副官イアーゴの巧みな策略によって、オセロはデスデモーナが浮気をしていると思いこむようになる。オセロは強い嫉妬心にかられ、自分を見失ってついにはデスデモーナを殺してしまう。しかしその直後、彼女が潔白であったことが証明され、絶望の中で自らの命を絶ってしまう。
全部で五つの楽章からなる曲ですが、それぞれの楽章は劇中の台詞に基づいて作曲されています。
アラム・ハチャトゥリャン作曲/林紀人編曲
この「ガイーヌ」という曲はもともとバレエを踊るために作られた、その伴奏音楽です。吹奏楽では非常に人気の高い曲目の一つで、たくさんのアレンジが出版されていますが、今回はその中でも、特に演奏される機会の多い林紀人によるアレンジを演奏いたします。林紀人は、中央大学吹奏楽団の指揮を長くつとめた人で、全日本吹奏楽コンクールでも数々のすばらしい成績を残し、そのアレンジ作品は日本全国のバンドでしばしば演奏されています。他のアレンジとくらべて曲数も多く、原典のオーケストラ版にきわめて忠実に編曲されているのが特徴です。
作曲者のハチャトゥリャンはアルメニア出身のソビエト連邦の作曲家です。彼が作曲した世界的に有名なクラシック音楽の一つである「剣の舞」は、この「ガイーヌ」組曲の一曲で、次のような説話が残っています。「ガイーヌの初演の前日になって、もう一曲新しい曲が必要になった。剣を持って踊るための激しい舞曲だ。しかし、真夜中を過ぎても何のメロディも浮かんでこない。いろんなリズムを試していた私に、明け方近くになってようやく独特のアクセントを持つ強烈なメロディが生まれた。それが剣の舞だ。」
ハチャトゥリャンらしい、ダイナミックで生命力溢れる音楽をお楽しみください。
Copyright © 1999 by Matsuyama Wind Orchestra, Kenji Okubo and Hiroshi Fujita.
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