第6回定期演奏会 曲目解説


バレエ音楽『ロミオとジュリエット』から

S.プロコフィエフ作曲/大久保健二編曲

  1. モンタギューとキャプレット
  2. メヌエット
  3. 朝の踊り
  4. アンティーユ諸島の娘たちの踊り
  5. ジュリエットの墓の前のロミオ
  6. ジュリエットの死

イギリスの作家シェークスピアの同名の戯曲による「ロミオとジュリエット」は、バレエ音楽のみならず、交響曲や序曲など他のジャンルの音楽の素材としても古今東西の作曲家がこぞって取り上げており、また映画や演劇、ミュージカルの題材にも使われるなど、全世界に広く愛好されている物語です。このプロコフィエフの作曲したバレエ音楽は、中世の騎士道や貴族の誇りを感じさせる古めかしい雰囲気と、斬新なリズムや和音を駆使したモダンで派手な響きが混ざり合っており、非常に絶妙なバランスで完成度を保っています。これに恋愛物語としての感情が盛り込まれていることを考慮すれば、吹奏楽では演奏の難しい作品であるといえるでしょう。

松山ウィンドオーケストラでの演奏は今回で2回目となります。前回の演奏の時に非常に好評をいただきましたので、ぜひ松山ウィンドオーケストラの看板曲として定着させたいという願いから、今回の再演の運びとなりました。第3回定期演奏会の頃よりも人数も増え、音楽性のあるバンドに成長していますので、よりパワフルなサウンドと深く掘り下げた豊かな表現を聴いていただけるのではないかと思います。

歌劇『マクベス夫人』の音楽

D. ショスタコーヴィチ作曲/大久保健二編曲

  1. 前奏曲
  2. 間奏曲
  3. アリア
  4. パッサカリア
  5. 終曲

ショスタコーヴィチは旧ソビエト連邦の作曲家です。スターリンの独裁による恐怖政治の時代を生きた音楽家として、世界的に有名な作品を多く残しました。そのうち「交響曲第5番」「祝典序曲」などは吹奏楽でも古くから演奏されてきましたが、最近のコンクールでは、新しいアレンジによる歌劇やバレエからの音楽に人気があります。

歌劇「マクベス夫人」は、原題を「ムツェンスク郡のマクベス夫人」または「カテリーナ・イズマイロヴァ」といい、ソビエトの作家レスコフの小説をもとにしたオペラです。裕福な地主に嫁いだ主人公の女性が、その日常生活のあまりの退屈さと悲しさに毎日嘆いていましたが、そのうち新入りの使用人との愛に目覚め、不倫がばれそうになって義父と夫を次々に殺害していくという筋のものです。しかし最後にはその犯罪も暴かれ、また恋人にも裏切られて流刑の地で入水自殺するという悲劇性の強い物語となっています。

今回はその歌劇のために書かれた間奏曲やアリアの中から5曲を選び、吹奏楽用にアレンジしたものを演奏いたします。なおこの組曲のIII, IV, V楽章はショスタコーヴィチが25歳の時の作品で、若々しく天才的なアイディアに満ちたスリルあふれる音楽を聴くことができます。I, II楽章は晩年になって改訂したときに付け加えられた楽章で、最小限の材料から最大効果の音楽を創り出す、熟達した技法による洗練された音楽となっています。

(文:大久保健二)


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