サマーコンサート'99 曲目解説

交響詩「フィンランディア」

J. シベリウス作曲/大久保健二編曲

この曲が作曲された経緯は、およそ次のようなものです。『そのころロシアの支配下にあったフィンランドでは、ロシア皇帝がフィンランドの自由を厳しく取り締まる法律を作った。これに反対する芸術家たちが集まって愛国劇を上演することになったが、その劇の音楽として作曲されたのが、この「フィンランディア」である。祖国への愛と輝かしい未来を歌ったこの作品はフィンランド国民の熱狂的な支持を得たが、それはロシア皇帝が国内での上演を禁止するほどであった。』普通吹奏楽で演奏される場合はウィンターボトム編曲のブージー&ホークス版を使用しますが、今回はよりシベリウスのオーケストレーションを生かす目的で、指揮者自身による編曲で演奏します。

フルート協奏曲ト長調より第1楽章

C. シュターミッツ作曲/大久保健二編曲

松山ウィンドオーケストラとしては初の試みとして、コンチェルトに挑戦します。ソリストを、団員である中嶋明子さんにお願いしたところ、快く引き受けて下さり、またその時にレパートリーの一つとして提案していただいたのがこの「フルート協奏曲ト長調」です。フルートを勉強する学生で、この曲を知らない人はいないほどのスタンダードな名曲ですが、この曲はもともと弦楽合奏による伴奏でした。そこで、今回の演奏会のために管楽器用に大幅に手直しして編曲したものを、今夜の演奏会ではお届けいたします。一児の母でもある中嶋明子さんの、素晴しい音色とテクニックをお楽しみください。


管楽器のためのソナタ

伊藤康英作曲

この曲は、過去の吹奏楽コンクールの課題曲として作曲されたものです。演奏時間はわずか6分ほどですが、すべての楽器やメロディが、バラバラのパズルを一つ一つつなぎ合わせていくようにめまぐるしく展開していきます。冒頭のフルートソロによる、どこか素っ気なく可愛らしい感じのするメロディが、いろいろに形を変えて登場します。

吹奏楽のための交響詩「ぐるりよざ」

伊藤康英作曲

この曲は長崎の海上自衛隊佐世保音楽隊の委嘱により、1990年に作曲、初演されました。スコアの1ページ目には、作曲者自身による次のような言葉があります。

『隠れキリシタンたちが歌い継いでいった聖歌は、厳しい禁教の中で、旋律は次第に歪曲し、歌詞も転訛してしまった。たとえば「グロリオーザ(Gloriosa)」というラテン語は「ぐるりよざ」というように…。』

松山ウィンドオーケストラの団員である嶋谷光二さんは、海上自衛隊佐世保音楽隊に所属していたことがあり、演奏には参加していませんが、この曲の初演に実際に関わった人の一人です。今回、本格的な吹奏楽オリジナルの大曲に取り組むに当たって、今の松山ウィンドにできる最高の演奏をお届けしたいと思っております。どうか、団員の熱意を感じ取ってください。

(文:大久保健二)


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