て日々

2021年5月

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早いもので5月も最終日だが、きょうはいかにも5月らしい、さわやかな日である。リビングのエアコンの取替え工事をしてもらった。涼しいうちにエアコンの工事が済んでよかった。古い機種は日立の「しろくま君」で、2007年4月に購入して以来、リモコン失踪事件などなどに巻きこまれながらも、14年の長きにわたってがんばってくれた。ありがとう。んで、新しいのは富士通ゼネラルである。これからよろしく。

午後、卒業研究ゼミ第1組。KRくんが教育実習のため、きょうの発表はMBくんのみ。で、内容は実数値可測関数の演算と極限。

妻からクール宅急便。ちょっと高級な豚肉の詰め合わせが届いた。なんと、肉屋のクジ引きで一等賞を当ててしまったらしい。ありがたく頂戴することにして、夕食はトンテキにした。

昨日から乾敏郎・阪口豊『脳の大統一理論』(岩波科学ライブラリー)を読んでいるのだが、どうも読みづらい、というか、ハッキリ言って、つまらない。3分の2ほど読んだところで本棚につっこんでしまった。

きょうもいい天気。とはいえ、どこかに出かけるということもない。三木成夫『内臓とこころ』を読了。ヒトのこころの根底には内臓感覚があること、その内臓感覚が、24時間周期の昼夜リズムと25時間周期の潮汐リズム、それに1年周期のリズムなどなど、さまざまな「宇宙リズム」の影響のもとにあること、そしてまた、ヒトの個体発生が宗族発生の記憶をとどめていること。それらが、幼児の発育に重ねて説かれている。どこまでが実証的な事実でどこからが ※個人の感想 なのかがわかりにくく、少々読みづらかったが、しかしたいへん示唆に富む面白い本であった。

続いて乾敏郎・阪口豊『脳の大統一理論 — 自由エネルギー原理とはなにか』(岩波科学ライブラリー)にとりかかり、半分くらい読む。昼食は焼きそば。夕食は刺身。

遅めの朝食に冷しうどん。昼間、天気がよいので家の前の路地の草引きをした。遅めの昼食はひき肉の味噌炒め。夕食は鶏手羽元のタレ焼き。時間と体力の余裕のある時を見計らって、三木成夫『内臓とこころ』(河出文庫)を読む。

この「て日々」の更新は不定期だけど、現在のところ1週間から10日くらいの間隔で更新しており、更新したらTwitterとFacebookで告知することにしている。昨日の更新のあと、中学時代の部活の同期のカキツバタくんから「て日々はなんだかほのぼのしてていいですね」と連絡があって嬉しかった。

午後、解析学の講義。関数項級数についての基本的な定理と実例。さらに、中間テストに代わるレポート課題を出す。

講義のあと、4か月ぶりに美容院に行って髪を少し切った。ジュンク堂書店に寄ったら、4階で技術評論社のフェアをやっていた。拙著『「集合と位相」をなぜ学ぶのか』も陳列してあったのが、ちょっと嬉しい。

夕食は麻婆豆腐。某スーパーチェーン店オリジナルブランドの四川式麻婆豆腐の素を使ったが、あまり旨くなかった。ふむ。次回は自分でソースを調合することにしよう。

午前中、会議が2つある。久しぶりに弁当を作って電車で大学へ行く。朝のうちはけっこうしっかり雨が降っていたが、昼過ぎには止み、夕方には晴れ間も見えた。ありがたいことだ。歩いて帰宅して、夕食の用意をする。ジャーマンポテトを作った。

いつものように洗濯をしたが天気が心配なので内干しにする。午後、演習の授業。他に、受けもちの4年生から線形代数についての質問のメールが来たので返事を書く。

夕食は昨日多めに作った牛肉と大根の煮物を食べきったのと、あと塩鮭。岩波新書『西田幾多郎 — 生きることと哲学』を読了。皆既月蝕があったが、残念なことに天気が悪くて見れなかった。夜から雨。

まあまあの天気。午後は大学に行く用事があったので、午前のうちに晩飯の仕込みをしていった。卒業研究セミナー第2組。1階述語論理の構文論と意味論。そのあと、他大学の院試を受ける学生のために書類の準備。久々に大学への往復を歩いて、歩数計カウント17,669歩。いい運動になった。

夕食は牛肉と大根の煮物。夕食後にピアノレッスン。

日中は雨。月曜日なので午後に卒業研究セミナー第1組。前半は可測写像の概念。後半はブール代数の定義。

夕食はチキンのハーブ焼き。

空いた時間には、藤田正勝『西田幾多郎 — 生きることと哲学』(岩波新書)を読む。

朝のうち快晴。きょうも洗濯をする。基本的に家でのんびり過ごすが、運動不足解消のため買い出しは家からちょっと離れたスーパーまで歩いて往復した。そうしたら、少し汗をかいた。

昼食はスパゲティ。夕食は回鍋肉。深川峻太郎『アインシュタイン方程式を読んだら「宇宙」が見えた』を読了。

久々の晴天。洗濯をする。普段の朝飯はずっとピザトーストなのだが、きょうは珍しく朝食が白ご飯と目玉焼き。昼食が焼き飯。夕食がラーメンと餃子。

午後、サイエンスコミュニケーションのオンライン勉強会に参加した。ちょうどいま読んでる『アインシュタイン方程式を読んだら「宇宙」が見えた』に助っ人として登場する「しょーた君」ことKEK高橋将太さんも参加しておられたので、ちょっとだけ話をさせてもらった。勉強会は初回なのでイントロダクション的に「サイエンスコミュニケーションとは何だろう」というような話だった。今後の展開が楽しみだ。

午後は解析学の講義。実数の級数についての基本事項を1回で済ませるので、ちょっと無理やり感がある。永井均『西田幾多郎 — 言語・貨幣・時計の成立の謎へ』(角川ソフィア文庫)を読了。

晩飯は無限もやし、焼き鯖、デリカのイカフライ。

夕食後、倅が塾に行くのに合わせてジュンク堂書店に行って、深川峻太郎『アインシュタイン方程式を読んだら「宇宙」が見えた』(講談社ブルーバックス)と田中裕(編)『西田幾多郎講演集』(岩波文庫)を買ってきた。夜中までかかって『アインシュタイン方程式…』を半分まで読む。これまで数式抜きのサイエンス本の企画に数多くかかわってきた自称ド文系のライター/エディターである著者が「数式を知らずして宇宙がわかるものか!」と一念発起して一般相対論の重力方程式に挑戦するというドキュメンタリーだ。数式の変形や解釈がときどき怪しいが、大変面白い。著者の深川さんは1964年生まれだから自分と同年代であり、その著者が、50代も半ばを過ぎてから、ずっと苦手意識をもっていた数式に敢えて挑戦している。ああ。俺も安逸に流れてばかりいないで、少しはがんばらないと。

朝から一日中しっかりと雨。まあ、雨も降ってくれないと困るのだが。午前中はいつもの教材開発リモート会議。午後は午前中に話し合った結果を元にして、教材に盛り込むシミュレーションをやりなおすため、久々にPythonのコードを書く。あと、リビングのエアコンの取替えの下見に来てもらうなど。

夕食は鶏もも肉のマスタード焼き、青梗菜のおひたし、冷奴。雨は強まったり弱まったりしながら夜になっても降り続け、ときおり雷が鳴った。

朝からどんよりとしたくもり空。時折の小雨。午前中、なかなかやる気が出ないが、締切の近い仕事がいくつかあるので、ちまちまと作業する。きょうもテスト期間中とて倅が早めに帰ってくる。昨日までの状況を見るに、俺が12時40分からの演習のリモート授業にとりかかるのと前後して帰ってくるはずで、それまでに昼食の用意を済ませておかねばならない。それで買いものに行ったりキッチンで調理(というほどのことはしていないが)をしたりするうちに、いつのまにか「やる気が出ないなあ」という感じは消えていた。

それで思い知ったことだが、自分の力でやる気を生み出そうなんていうのは、ほらふき男爵が自分の靴紐につかまって沼からはい上がったという、あれと一緒だ。どだい無理な話である。そして《やる気→行動》という順序も、たぶん正しくない。きっと《ただ単に行動する》こと、あるいは、些細なきっかけを見つけて、とにかく行動を起こすというのが正しいのだろう。

午後、いつものように演習の授業をする。授業が済むころには、外は気持ちよく晴れていた。夕食は茄子の肉味噌炒めと冷奴。

午前中少し晴れ間が見えたので洗濯をしたが、午後から雲行きが怪しいので内干しに変更した。案の定、少し降ったようだ。

卒業研究ゼミ第2組。自然演繹の推論規則が出揃ったが、自然演繹における∃除去の推論をめぐって、テキストの「確認問題」にマチガイがあった。あとで調べてみたら、著者のサポートページに訂正が載っているが、いまひとつ明快でない。ううむ。

ともあれこのテキストもそろそろ読み終えてしまいそうだ。次はどうするかな。

夜はピアノのレッスン。倅の塾と自分のピアノが微妙に入れ違いなので夕食の段取りに困るなど。もやし炒めとデリカの鯵フライ。

朝から雨である。月曜日である。こういう日は右膝が痛んで自分も調子が出ないが、倅も調子が出なかったらしい。おかげで、朝のルーティンがなかなか消化できなくて困った。いつものように弁当を持たせたが、高校は中間テストの時期で半ドンである。倅は弁当を持って行ってそのまま持って帰って家で食っていた。

午後には卒業研究ゼミ第1組。前半、束の定義、上半束かつ下半束である順序集合が束であるための条件、分配律と双対分配律。後半、可算でないルベーグ零集合の例。

夕食は塩鮭。

最小限度の買い出しのほかは、家でのんびり過ごす。昼食はナスとベーコン入りのアラビアータスパゲティ。夕食には肉じゃがを作った。

四国地方は例年よりずいぶん早く梅雨入りしたらしい。

午後、一色楽器に行って川尻さんに会い、来年の白石バンドの演奏会の楽譜を受けとった。たまたま白石先生ご本人がいて、トランペットを選びに来た大学生の男の子にアドバイスをしておられた。吹き方・音の出し方のアドバイスは目から鱗な話が満載で、傍で聞いていても勉強になった。

その後は川尻さんに連れられて歩行町のジャズバー・ゴスペルに行った。他のお客さんのいないタイミングで、iReal Proのカラオケをバックに川尻さんのラッパと自分のソプラノサックスを演奏させてもらったりして、なかなか楽しかった。

夕食は肉味噌だいこん。

午後、解析学の講義。一様収束が関数の連続性を保つことの証明。夕食はカレー。

廣島文生『フォン・ノイマン(1) 知の巨人と数理の黎明』(現代数学社2021年)を読了。数学者ジョン・フォン・ノイマンの人と業績、とりわけ量子力学の数学のためにヒルベルト空間論を創始したことを丁寧に解説する本で、量子力学の沿革の叙述に特に力が入っていた。続編があるらしいので楽しみにしている。

午前中はいつもの教材開発リモート会議。午後はいろいろ溜まった用事があるので、久々に大学に顔を出した。夕食は餃子と串カツ。

雨が降ったりやんだり。演習のリモート授業。夕食はタコ飯。休肝日。

ザビーネ・ホッセンフェルダーの『数学に魅せられて、科学を見失う』を読了。物理学において美とか自然さが理論のよしあしの判断基準になりうるものかどうかという疑問から出発し、近年あまり積極的な実験データがなく観測事実に支えられなくなった高エネルギー物理学の現状を問題視する内容。誰かが言わなければならないが、しかし誰も言いたがらないことを、あえて自分が言う、そんな本だと思った。俺は物理学については素人だが、認知バイアスや社会的バイアスの問題はすべての科学研究に(というより人間のおよそあらゆる活動に)ついて回る問題でもあり、読んでいて、いろいろ考えさせられた。

午後は卒業研究ゼミ第2組。自然演繹における背理法や二重否定除去などなど。

夕食に鮭のムニエルを作った。まあまあ美味しかったが、ちょっと薄味だったので、次にやるときはスパイスを多くしよう。

夜はピアノのレッスン。進捗してるんだかしてないんだか。

昨日ちょうど6000回目のエントリーとなったこのWeb日記について、少し気になって調べてみたら、最初の日記の日付である2002年10月22日から、昨日で6775日経過している。つまり、775日ぶん日記が欠けている。最初は毎日書くというルールもなかったし、途中で何度か中断もしているからね。俺としては、日記を読み返すのが好きで、思い出して胸が痛くなることがないこともないが、けっこう何度も読み返している。書かなかったら読み返すこともできないわけだから、今後もせっせと書くことにしよう。

卒業研究ゼミ第1組。スティルチェス測度。上半束の代数的な定義。

天気がよいので昨日から半袖で過ごしている。

この日記、最初はパソコン関係の気軽なメモ書きのつもりで始めたものだが、途中からは、生活の記録というか、生きてる証拠として続いてきた。何度か中断を挟みつつも書き続け、今日が6000日目のエントリーである。最初の日記は2002年10月で、ポリタンク型のBlue&White G3 MacintoshをMacOS Xに移行させるにはどうするか、なんて話を書いていた。そのとき1歳半だったムスメはいまでは20歳、日記を始めてちょうど2年後にセガレが生まれて、それが今年17歳になる。6000日というのはそれくらいの期間だ。

さて、この日記、このあとさらに6000日書き続けられるだろうか。俺はそれだけ生きていられるんだろうか。まあ、生きてるうちは書き続けようとは思う。

昼食は冷しうどん。夕食は豚キムチ。

休日なので油断していたが、きょう初めて倅より起床が遅くなった。昨日に引き続き『数学に魅せられて、科学を見失う』と『関数解析』を読みながら過ごす。昼食はスパゲティとコロッケ。夕食は刺身。

ザビーネ・ホッセンフェルダー『数学に魅せられて、科学を見失う』(みすず書房2021年3月)を読み始める。易しくはないが面白い。同じ便で届いた藤田宏・黒田成俊・伊藤清三『関数解析』(岩波書店)も面白いが、さすがにこちらはスラスラ読める本ではない。

ようやく戻ってきた平日。午前中にいつもの教材開発打ち合わせ。

長すぎる連休もきょうでおしまい。基本的にぐだぐだと過ごす。

長すぎる連休というのも困る。なにしろ、やる気が出ない。午後、思いたって少しフルートを吹いてみたが、ぜんぜん息が続かない。昼食はラーメン。夕食は蟹玉。

けさは、誰だったかに顔に向かって放屁されるひどい夢を見て目がさめた。天気がよいので洗濯をする。倅は休日にしては早く起きてきた。昼食はハーブチキンとナポリタン。夕食は肉じゃがと無限キャベツと焼き塩鮭。

O.ヘンリーの『緑の扉』を読んだ。(→石波杏 訳)O.ヘンリーらしい気の効いたショートストーリーなのだけど、この話の冒頭が、ちょっと奇妙だ。こんな状況を想像してほしい、と作者はいう。あなたは夕食後に夜の街を歩いている。きれいに着飾った見知らぬ美女があなたを呼びとめる。美女は焼きたてのバターロールをあなたに無理やり手渡し、ハサミであなたのコートの第2ボタンを切りとる。ただ一言「平行四辺形(パラレログラム)!」と叫んでから美女は踵を返し、後ろを気にしながら通りの向うへ駆け去る。これはまぎれもなくひとつの冒険の始まりだが、たいていの人はその冒険に敢えて飛び込んでいったりしない、と作者はいい、それから話はバターロールとも平行四辺形ともまったく関係のない本題に入っていく。中学校かどこかでこの話を読んだことのある倅は、この「平行四辺形!」が気になって仕方がないという。きっとそれは倅だけではないと思う。いったい、作者は何を言いたかったのだろうか。どこかで誰かがこの書き出しについて研究しているんじゃないかと倅はいうのだが、さて、どうだろうね。

休日だし、基本的にだらだら過ごしたのだが、そうはいっても溜まった仕事は片付けねばならん。論文の査読をひとつ済ませた。

天気がよくない。もっぱら家にいて、『フォン・ノイマン 知の巨人と数理の黎明』の最初のところを読んで過ごす。興味深い内容の本だが、誤字脱字が多いのと、スタニスラフ・ウラムをハンガリー出身と書いていたりするのがちょっと気になる。ウラムの出身地はポーランドのルヴォフ(現在はウクライナ領)だ。

昼食は焼き飯。夕食は麻婆豆腐と、スーパーで買ってきた揚げもの。

夕方、倅が医者に行くタイミングで俺も一緒に出かけ、ジュンク堂書店で廣島文生『大数学者の数学/フォン・ノイマン 知の巨人と数理の黎明』(現代数学社2021年)という本を買った。フォン・ノイマンの生涯と業績、とくに量子力学への貢献について書いたものらしい。読まにゃならん本は増える一方。読む力は衰える一方。うぎゃあああ。

さてさて、いまの大学に着任したのが平成3年の5月1日だった。きょうでちょうど30年だ。俺は京都で生まれ育って、若いころ名古屋にも一時期住んだが、松山にすっかり根が生えている。30年の間に俺も松山の街もその間にずいぶん変わったし、これからもいろいろ変化していくのだろうけど、今後とも俺はこの街に住み続けることになるので、ひとつよろしくお願いします。