第II章 演習問題 [31]

まず \(X\) の元の増加列 (減少列) で順序型が \(\omega_1\) のものはない. なぜなら, もし \(\langle a_\alpha\,|\,\alpha<\omega_1\rangle\) が増加列ならば, \(\langle (a_{\beta+2n},a_{\beta+2n+2})\,|\,\beta<\omega_1 \text{は極限順序数}, n<\omega\rangle \) は互いに素な非可算個の開区間となるからである.

\(\mathcal{I}=\{I \in\mathcal{O}(X)\ | \ \forall a,b\in I (a< b\rightarrow (a,b)\subset I)\}\) とおく. このとき, \(\mathcal{I}\) の元の包含関係に関する狭義単調減少列で順序型が \(\omega_1\) のものはない. なぜなら, \(a_\alpha\in I_{\alpha+1}\backslash I_\alpha\) とすると, \(\langle a_\alpha\,|\,\alpha<\omega\rangle\) の部分増加 (または部分減少) 列で順序型 \(\omega_1\) のものが存在するからである.

\(T\subset\mathcal{I}\) となる木 \(\langle T,\preceq \rangle\) の各水準 \(\mathrm{Lev}_\alpha(T)\) を次のように定義する.

\(\mathrm{Lev}_\alpha(T)\) の元は互いに素な開集合となるので, \(|\mathrm{Lev}_\alpha(T)|=\omega.\) また, 順序型 \(\omega_1\) の鎖も存在しない. したがって, \(T\) は \(\omega_1\) 木であり, \(\mathrm{Lev}_{\beta+1}(T)\) の元を作るのに使った分点全体の集合 \(A\) の濃度は高々 \(\omega_1\) である.

開区間 \((a,b)\) に対し, \(C=\{I\in T\,|\,(a,b)\subset I\}\) は \(T\) の鎖となるのでその順序型を \(\alpha<\omega_1\) とする. \(\alpha\) は極限順序数ではないので, \(C\) の最大元から選んだ分点が \((a,b)\) に属することになり, \(A\) は \(X\) で稠密な集合となる.

 

解答者: 志村さん (公開日: 2011年6月24日)

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