て日々

2016年5月


2016年5月31日(火)くもり

朝のうち天気がよかったので洗濯をする。例によって「集合と位相I」の講義と演習。講義では集合族の有限特性ということを論じタッキーの補題を導入した。

土屋守『ウイスキー通』(新潮選書2007年)を読了。タイトルどおり、ウイスキーをめぐる膨大な蘊蓄に圧倒される。


2016年5月30日(月)はれ

ひさしぶりに arXiv.org を見に行って驚いた。最近になって集合論の世界で思いがけない進展があったらしい。

ひとつは、MAD Familyが存在しない集合論のモデルについて。A.R.D.Mathiasが1970年代にマーロ基数の存在を仮定してMAD Familyの存在しない集合論のモデルを与えたが、俺はてっきり、このマーロ基数の存在の仮定は除去できないものと思っていた。ところがこの5月になって、ZF+DC+“MAD Familyの不存在”がZFCとequiconsistentであることが証明されてしまった。証明したのはHaim HorowitzとSaharon Shelah。(→arXiv:1605.02419)

さらに最近になってHorowitzとShelahは、Maximal Eventually Different Familyがボレル集合の範囲で存在することを証明した。(→arXiv:1605.07123) こういうタイプの極大集合はボレル集合や解析集合の範囲には存在しないのがお決まりのパターンだったから、これにもびっくり。

これからはもうちょっとこまめにarXivをチェックしようと思った。


2016年5月29日(日)あめ

午前中、川又一英『大正十五年の聖バレンタイン』(PHP研究所1984年)を読んだ。内容は、神戸で洋菓子店を営んだヴァレンティン・フョードロヴィチ・モロゾフという人の半生。神戸のモロゾフといえば有名ブランドだが、ヴァレンティンの店はこのモロゾフではなく、コスモポリタン製菓という。なんでそんなややこしいことになっているのかというのにも実は長い話がある。読みごたえがある。古い本でもはや入手困難かもしれないが、おすすめだ。

昼食後は竹鶴政孝の自伝『ウイスキーと私』(NHK出版2014年)を読んだ。これで昨日借りた本を4冊とも読み終えてしまったので、午後の遅い時間からだが、もう一度県立図書館に足を運んでまた5冊借りてきた。今度はさすがに、その日のうちに、というわけにはいかないけどね。

books20160529

23日の日記に、『ヒゲのウヰスキー誕生す』を読んだらウイスキーを飲みたくなるに決まっているから云々と書いたが、竹鶴の自伝と併せて実際に読み終えてみても、とりたてて飲まずにいられない気持にはならなかった。きょうで断酒3週間で、ここまで継続したんだから、ということもあるし、懐具合も思うに任せないし、体調も万全というわけではないし、だいたい酒というものは楽しく飲むべきもので、妻に申しわけないと思いながらとか、なんやかや言いわけを考えながらとか、隠れてコソコソとか、そんなことしてまで飲んでもしょうがない、という考えが勝ったのでもある。どうせ次の木曜日には飲みに行く予定なので、このさいそれまで断酒することにしよう。ウイスキーを飲むかわりに、ウイスキーに関する本を読むという感じになってきた。


2016年5月28日(土)くもり

昨晩公開した一昨日の日記を読んでくれた何人かの方から、円の接線と割線についてのあの定理には「方冪の定理」という名前がついているよと教えてもらった。証明の方針を伝えてくれた人もいる。ありがたいことだ。

午後、県立図書館に行って本を4冊借りてきた。今日はそのうち2冊、高井尚之『カフェと日本人』(講談社現代新書2014年)と川又一英『ヒゲのウヰスキー誕生す』(新潮社1982年)を読んだ。『カフェと日本人』は、日本のカフェ・喫茶店文化をいろいろな観点から語った本なのだけど、なんだか散漫な印象を受けたし、もっとビジュアルに展開すればまだよかったところを、新書という形態が仇になった感じで、読んでいて不満が残った。こちらがなにせ平川彰の『仏教通史』を読み終えた直後だけに、文体のギャップにも戸惑った。いっぽう、マッサンこと竹鶴政孝の生涯を描いた『ヒゲの…』は期待に違わず面白かった。


2016年5月27日(金)くもり

「集合と位相」の講義では順序集合における極大元・鎖・上界といった概念を説明し、ツォルンの補題を述べた。演習のあとのCooper本講読ゼミでは§2.3のレジスタ機械の議論を終わらせた。自室でのゼミで、少し蒸し暑いかと思って団扇を出してきたのだが、そのうち一つが数年前に書店でもらったオーム社の「マンガでわかるシリーズ」の販促品だったので、聴講者のひとりオタク持国天くんがずいぶん喜んでいた。

平川彰『仏教通史』を読了。今月はこれで9冊を読み終えたことになる。小さく達成感を覚える。


2016年5月26日(木)くもり

午前中は図書室で書庫の整理の作業。午後は卒業研究ゼミ。KDくん久々の登場。と思ったら、相方のOZくんは教育実習に行ってて不在。毎年のことだが前期はゼミが不規則になりがちだ。

ある初等幾何の定理にかんする図

ゼミのテキストで、円に対する割線と接線が交差する上の図のような状況で \(\mathrm{AC}\cdot\mathrm{BC}=\mathrm{DC}^2\) となるという定理が証明なしで引用されていて、わからなくて困った。KDくんによると中学校で習った覚えがあるというが、俺は思い出せなかった。ゼミのあと少し考えて、三角法を使う証明をつけることはできたけれども。


2016年5月25日(水)あめ

雨が降ったりやんだりの中、職場の定期検診に行く。朝の比較的早い時間に行ったからとはいえ、血圧が93/68とかいう値だったのには驚いた。この数年はつねに130くらいだったのに。この血圧の低さは最近どうも元気が出ないのと関係あるのかもしれない。よくわからないけど。体重と腹囲は昨年よりずいぶん落ちて健康体に近くなった。それはいいが、視力も落ちてしまっているのは残念である。

昼休みには図書委員会の会議。そのあと、午後は金曜日の授業の段取りを考える。妻がきょうから高知へ仕事で2泊するので、夜は俺が家で晩飯の用意をする。


2016年5月24日(火)くもり

例によって「集合と位相」の講義と演習。順序同型写像など。家で読んでいる『仏教通史』はいよいよ日本の仏教史に入る。


2016年5月23日(月)はれ

ピアノのレッスンの前に、ちょっとだけジュンク堂書店に立ち寄る。先日『「洋酒天国」とその時代』と『やってみなはれ みとくんなはれ』を読んだので、次はぜひ新潮文庫の川又一英『ヒゲのウヰスキー誕生す』を読んでみたいのではあるが、読んだらまたウィスキーを呑みたくなるに決まっている。実はこのところ2週間禁酒しており、せっかくだから今週実施される職場の定期健康診断が済むまで禁酒を続けることにしたい。なので、『ヒゲのウヰスキー誕生す』もそれまで我慢。その他にも、読んでみたい本がないわけではないが、家に読みかけの本だってあるわけだし、今日のところは何も買わない。

ピアノはツェルニー三十番のうち第26曲が済んで次回から第27曲。発表会の出し物候補の曲のほうは、遅々として進展せず。


2016年5月22日(日)はれ

ムスメのところにお友達が遊びに来るというので、お迎えの準備でちょっと慌しかった。


2016年5月21日(土)はれ

昨晩なんだかんだで風呂に入れなかったので、久万の台温泉に朝風呂を浴びに行った。

このところ日記が低調というか、全然中身がなくて申しわけない。ことに、毎週土曜日の日記がひどいのだが、これはつまり、土曜日がいちばんダラケているのだろう。休日だからとてボンヤリと過ごしてばかりいるわけにいかない。せめて読書する。少し古い本だが、平川彰『インド・中国・日本 仏教通史』(春秋社 1977年)を読み始める。


2016年5月20日(金)はれ

講義と演習。今日からテキスト第7章の順序集合の話。いつもより演習の雰囲気がよかった。天候が爽やかだったこともあるかもしれないが、具体例を扱う問題が多く、手を動かせたからだろうと思う。そのあと例によってCooper本講読ゼミ。レジスタ機械による計算の話の続き。


2016年5月19日(木)くもり

赤入れを済ませた訳本の校正刷りを版元へ返送。


2016年5月18日(水)はれ

午前中は卒業研究ゼミ。ゼミ生2人のうちKDくんは就活のためなかなかゼミに来れない。


2016年5月17日(火)はれ

昨日の大雨は一日であがって、きょうはなかなか気持ちのよい晴天。中間テストのマルつけは午前中に完了。午後は例によって講義と演習。今日の内容はカントールの定理その他の冪集合の濃度に関する話題。「関数の集合」とか「冪集合への写像」とか、イメージしにくい概念が続出して、ちょっと難しかったかもしれない。

カントールの定理だから、集合 \(X\) からその冪集合 \(\mathcal{P}(X)\) への任意の写像 \(g\colon X\to\mathcal{P}(X)\) について、それが全射でないことを示すのだが、対角線集合 \[ D=\big\{\,x\in X\,:\,x\notin g(x)\,\big\} \] というのが、初学者にはわかりにくい。演習の時間でも、そこのところで悩んでしまっている学生さんが多い様子だったので、実例として集合 \(X=\{\,a,b,c\,\}\) で写像が \[ \begin{align} g(a)&=\{a,b\},\\ g(b)&=\{a,c\},\\ g(c)&=\{b\} \end{align} \] だった場合に実際 \(D\) を作ってごらん、とアドバイスした。この例の場合は \(D=\{b,c\}\) となる。それが写像 \(g\) の値域にないことは一目瞭然だ。一般の集合 \(X\) の場合は、対角線集合 \(D\) が写像 \(g\) の値域にないことの証明にひと工夫必要で、それがカントールのこの議論のキモなのだが、具体例で手を動かしておけば、少しはその議論にも近づきやすくなるだろうと期待する。


2016年5月16日(月)あめ

午前中は訳本の校正。午後は中間テストのマルつけ。マルつけの合間に接骨院に行く。さいわい、左脚の痛みはもうないし、階段の昇り降りも普段どおりできるようになってきた。ただ、腿の筋がずいぶん固いそうで、今後の再発防止のためにと、ストレッチングを勧められた。

夜、ピアノのレッスン。これまで15年以上、ずっと金曜の夕方に通っていたが、今度から月曜日に替えてもらった。週1回30分のレッスンという内容は同じなのだけど、金曜の夕方と月曜の夜というのは、時間帯の意味合いとしてだいぶ異なるわけで、なんだか妙な気分である。


2016年5月15日(日)はれ

昼食にそうめんを茹でた。午後、県立図書館に行って先日借りた本を返したが、新たには借りなかった。おやつには、ムスメがおいしいハムサンドを作ってくれた。それと、ムスメの学校の家庭訪問があった。ムスメの担任の先生がうちの学科の卒業生で旧知の人だったので驚いた。夕方、久しぶりに家族4人でフジグラン松山へ行った。夜、田中久夫『鎌倉仏教』(講談社学術文庫)を読了。


2016年5月14日(土)はれ

またしても家でボンヤリと過ごしてしまった。


2016年5月13日(金)はれ

午後、集合と位相の中間テスト。それに関連した演習。Cooper本ゼミ。Cooper本ゼミでは「値の系列による再帰 (Course-of-values recursion)」や、テキストで十分に扱われていない「上限つき最小化」の議論をし、さらに「レジスタ機械 (Unlimited Register Machine: URM)」の定義を勉強した。金曜の午後は、俺もそうだがそれより510くんがハードスケジュールで大変である。


2016年5月12日(木)はれ

一日中とてもよい天気だった。あんまりよい天気なので昼休みに久々に護国神社の裏の御幸寺山に登った。登るのはいい気分だったが、降りるときに左脚に故障が出てしまい、午後の仕事のときには階段の上り下りができなくなった。立ったり座ったりは普通にできるのだが、家でも職場でも階段を使わないわけにいかないので大変困る。夕方、大学の近くの接骨院で診てもらった。どうも普段の歩きかた、体重の支え方に問題があったらしい。そういえば歩き方の癖はこれまでにもウォーキング教室や他の整体院でも指摘されていたことだ。長年の癖はおいそれとは修正できないものだが、間違った姿勢は身体の思わぬ部分に無理をさせているわけで、何かのきっかけで今回みたいなことになるから、気をつけねばならん。ううむ。


2016年5月11日(水)くもり

午前中は卒業研究ゼミ。午後には例によって訳本の校正。それと、生西・中神のセクション1.8、先週の6日に半分読んでいたのだが、きょう残りを読んだ。どうも、さっぱり頭に入ってこない。

夜、中村元『原始仏典』(ちくま学芸文庫 2011年)を読了。


2016年5月10日(火)あめ

午前中はメールの返信やら職場のホームページのメンテナンスやらして、午後は講義と演習。そのあと例によって訳本の校正なのだが、疲れていたらしく、途中で机に向かって座ったままの姿勢で1時間ほど眠ってしまった。


2016年5月9日(月)くもり

明日の授業の準備と、それから訳本の校正をやる。どうも月曜日は気持ちが滅入りがちだが、きょうに限っては案外それも低気圧のせいかもしれない。帰り道には霧雨。傘をさしていても服がしっぽりと湿り気を帯びてしまう。


2016年5月8日(日)はれ

母の日とて、夕食のテーブルにカーネーションを飾る。

山口瞳・開高健『やってみなはれ みとくんなはれ』(新潮文庫)を読了。中村元『原始仏典』(ちくま学芸文庫 2011年)にとりかかる。

作曲家・シンセサイザー奏者の冨田勲さんが亡くなったとの知らせ。俺がちょうどいまのセガレくらいの歳のころ、雑誌『初歩のラジオ』のシンセサイザー関連の記事にこの人のレコード『惑星』が紹介され、それで冨田勲という音楽家とシンセサイザーというものの存在を知った。レコードなんかおいそれと買えないガキの頃のこととて、深夜のラジオ放送をエアチェックした「月の光」と「亜麻色の髪の乙女」と「夢」を、何度も繰り返し聴いたものだ。小学生のころは音楽のことなど何もわからず楽譜も読めなかった俺だが、『惑星』や『火の鳥』をトミタの作品で知って興味をもち、それから原曲を聴くようになり、関連してクラシック音楽をいろいろ聴くようになったという流れで、冨田勲は俺が音楽に関心をもつきっかけになってくれたのだった。謹しんでご冥福をお祈りしたい。


2016年5月7日(土)はれ

家にいて、訳本の校正をしたり、好きな本を読んだり。


2016年5月6日(金)はれ

朝、510くんのCooper本講読ゼミ。それから生西・中神のセクション1.8を半分だけ読み、午後は講義と演習。

夕方にはピアノ。現在はツェルニー30番の第26曲と、中村由利子の曲をやっている。あまり進捗はない。15年間ずっと金曜の夕方にピアノを習っていたが、金曜の夕方というのは用事が入りがちで、6時30分からのレッスンに止むを得ず遅刻したことがたびたびある。きょうは朝の第1時限にやったCooper講読も、本来は金曜の午後にすることになっている。それでまあ、少し迷ったけれども、次回からはレッスン日を月曜日に替えてもらうことにした。そりゃあ月曜日だって夕方に用事が入ることはあるだろうけど、開始時間も30分遅くなったので、まあ大丈夫だろうと思う。

訳本の校正刷りが届いた。


2016年5月5日(木) こどもの日はれ

午前中はとても気持ちのよい晴天だった。午後は少し雲が出てきたが、快適な一日だった。

生西・中神のセクション1.6〜1.7を読んだ。ヒルベルト空間の基本と、線形作用素の話のさわりのところ。概ね知った話だったから、読みかたがちょっと雑だったかもしれない。それから山口瞳『礼儀作法入門』(新潮文庫)を読み終えた。礼儀作法の本というと「ああしろこうしろ」と堅苦しいか、あるいは礼儀と品格を語ると言いながら無礼と下品を語って「こうはなりたくないよね」というか、そういうつまらない本が多い中、この本は形式ばらず下品にならず、楽しく読めた。たとえば、礼儀作法の基本は健康にあるというのは、近年の玄侑宗久の「街ですれちがうだけの人であっても健康で上機嫌なほうがよい」という言葉にも通じ、まことに明快で的を得ている。

先月24日に松山ブックマルシェに出かけたおかげで結果的に読書の習慣が復旧したのはたいへんありがたいことだ。そのときに書いたとおり、雑多な本を楽しんで読むことからやりなおす。それでいいのだと思う。


2016年5月4日(水) みどりの日はれ

朝の早いうちに生西・中神のセクション1.5を勉強した。内容は、ベールのカテゴリー定理と、その応用として得られる、バナッハ空間論で基本的な重要性をもつ3つの定理(一様有界性定理・開写像定理・閉グラフ定理)の復習。

それから、武沢秀一『マンダラの謎を解く』(講談社現代新書 2009年)を読んだ。これはとても面白かった。マンダラの起源といえば通常《古代インドのコスモロジー→密教経典→マンダラ》と理解されているが、西域や中国の岩窟に見られるストゥーパ中心の伽藍を手掛かりに《古代インドのコスモロジー→ストゥーパ崇拝→寺院の伽藍配置→マンダラ》という流れでとらえ直そうというのだ。こちとら密教にもマンダラにもインドにも何の見識のないシロートだが、それでも刺激的で面白く読めた。これで、先月29日に県立図書館で借りた5冊のうち4冊まで読み終えた。いままでにないペースだ。残る1冊は嶺重慎『ブラックホール天文学』(日本評論社 2016年)で、いまカジッてみているが、宇宙物理学の専門用語と数式だらけのこの本を連休中に通読なんてことは、さすがに思いもよらない。

妻が某ショッピングモールの医務室に仕事に出かけている。ムスメは映画(「名探偵コナン」シリーズらしい)を観に行き、そのあと友達を連れて帰ってくる予定だというので、俺とセガレは基本的に家で留守番。夕方、ムスメに連れられてやってきた2人の女の子に手作りピザをふるまう。お客さまたちが帰って、あと片付けをしてから、ひとりで30分ばかり近所を散歩。

このところ、読んだ本の記録に「読書管理ビブリア」というiOS Appを利用している。最近の本なら書誌データを手入力しなくてもカバー裏のバーコードをカメラで読み取って登録ができる。読んだ本についてAmazonへのリンクつきでツイートするのも簡単だ。ほどよく機能を絞ってあるので使い勝手がよい。


2016年5月3日(火) 憲法記念日あめ

朝から強い風。午後には雨。

午前中、生西・中神のセクション1.4を読む。位相ベクトル空間の何種類かの位相が関連する話で、なかなか難しかった。午後には『『洋酒天国』とその時代』と『笑う禅僧』を読み終えた。昼食は冷やしうどん、夕食はカレーライス。


2016年5月2日(月)はれ

大学は休講日で、きょう授業を休んだぶん7月の海の日に授業をする。休講日だからといってまるきり休んでしまうと6日金曜日の授業の準備が心許ないので、大学に出向く。学生の姿もほとんどなくキャンパスはとても静かだった。午前中にベルンシュタイン・シュレーダーの定理あたりの内容を含む講義ノートを作り終えて、軽い昼食をとり、午後は生西明夫・中神祥臣『作用素環入門』(岩波書店 2007年)をセクション1.3まで読んだ。ハーン・バナッハの定理の証明のあたりからは素読みでは頭に入らないのでノートを取りながら進む。


2016年5月1日(日)はれ

昼食後、家族4人で久万高原町へドライブ。「道の駅 天空の郷 さんさん」というところへ行ってみた。よくある道の駅なのだが、好天に誘われてなかなかの人出だった。

このところ、県立図書館で先日借りた本のうち、小玉武『『洋酒天国』とその時代』(筑摩書房 2007年)梶田隆章『ニュートリノで探る宇宙と素粒子』(平凡社 2015年)を交互に読んでいたのだが、今晩「ニュートリノ」を先に読み終えた。これはノーベル賞受賞の実験物理学者によるニュートリノ物理の紹介で、大統一理論の予言する陽子崩壊の検証のために作られた実験装置カミオカンデが、紆余曲折ののち、超新星爆発のメカニズムや太陽内部の核融合のプロセスの実験的検証、さらにはニュートリノ振動の検出などの結果を出すまでを、やさしく明快な語り口で辿っている。

深夜、微熱があり寝苦しい。寝床で安永祖堂『笑う禅僧』(講談社現代新書 2010年)をつまみ食い的に読む。